FUJI: 大波乱のレース2を制したのは296号車!ファイナルラップでリードを奪う

FUJI: 大波乱のレース2を制したのは296号車!ファイナルラップでリードを奪う

> サクセスペナルティを乗り越えて296号車が今シーズン初優勝
> 前澤友作が自身のスティントでオーバーテイクし3位表彰台獲得
> 39号車は4連勝をマークしてチャンピオン獲得に王手 

昨日の予選2を担当したプロドライバーがスタートでハンドルを握るレース2。今大会期間中、最も気温が高い24度、路面温度47度のなか、2周のフォーメーションラップを終えてレースがスタート。

コントロールラインを超える前から、98号車はマシントラブルでピットイン。合計23台が1コーナーに飛び込むなか、ポールポジションスタートの9号車は上手く逃げ切ってリードを守った。

レーススタート直後に、97号車が1コーナーでレースに復帰した98号車と接触。97号車のマシンはコントロールを失い、そのままグラベルトラップへと突っ込んでいく状況に。勢いによってマシンは複数回回転し、タイヤバリアに逆さまで乗り上げてしまい、赤旗が出されレースは中断となった。

スタートを担当していたベティ・チェンと98号車の高木真一はともに安否が確認され、約20分のディレイの後、15:31にレースが再開。ピットウィンドウまでトップ5が入れ替わることなく、9号車、45号車、296号車、24号車、96号車の順で、プロドライバーが着々と周回を重ねていった。

ピットウィンドウが閉まる直前までプロドライバーのドライブタイムを引き延ばした各チーム。前日のサクセスペナルティがあったチームはそれに準じて順位を落としたが、追加でタイムが発生しなかったBINGO RACING with LM Corsaはピットストップ後もリードを維持した。

しかし、レース時間残り18分程度のタイミングで、規定ピットストップタイムを下回っていたことから9号車には3秒のストップアンドゴーペナルティが科された。その結果、2番手を走行していた45号車がリードを受け継いで、24号車、296号車、555号車が続く展開となった。

残り13分程度のタイミングで24号車をオーバーテイクして2位に浮上した296号車は、この時点で首位のPONOS Racingまでのギャップが10秒ほどあり、レース優勝は難しく見えた。

そんななか、この上ないほどの激しい3位表彰台争いが勃発。ペースを失いつつあった24号車に対して、555号車の前澤友作が猛攻撃を仕掛ける。1コーナーやBコーナーのブレーキングポイントでは常にオーバーテイクのチャンスを伺い、経験豊富な内田優大にプレッシャーをかけ続けた。

レース時間残り4分程度のタイミングで、一瞬の内田のミスを見逃さなかった前澤は3位へ浮上。自身の走りで今シーズン初の表彰台圏内へと上り詰めた。しかし、激しい攻防戦を繰り広げていた結果、2台の後方には81号車と666号車も追いついており、四つ巴の大バトルへと発展した。

そのころ、安定してリードを維持していた45号車は、ちょうど最終コーナー立ち上がりのタイミングでレース時間が残り10秒ほどとなっていた。後ろの296号車とのギャップも数秒圏内に迫っていたが、レース時間終了後にチェッカーを受けるべくストレート上でスローダウン。上手くレース周回数を1周減らせることができたかのように見えたが、タイミングが少し速すぎたため、追加でラスト1周を走ることに。

一気に296号車とのギャップが詰まってしまい、攻める296号車はアドバンコーナーのインサイドに飛び込んで首位に浮上。サクセスペナルティも乗り越えて、ファイナルラップでリードを奪い、劇的な優勝を飾った。

555号車は上手く後方のマシンらから逃げ切り、3位表彰台を獲得。前澤友作のドライバーとしての腕前が明確にわかるドライビングで、オールフェラーリのポディウムを締め括った。81号車の大八木龍一郎は、6位フィニッシュでGT3 Amクラス優勝。

GT4クラスは39号車のハリダルマ・マノッポと野中誠太が4連勝をマークして、4戦を終えてシーズン折り返しとなった現時点でチャンピオン獲得に王手をかけた。GTCクラスは今大会からエントリーした16号車のHiroが優勝を飾った。

今シーズン行われた4レースは、すべて異なるチームが総合優勝を記録。ランキングトップは73ポイントで、開幕戦から4戦連続で表彰台に登り続けている296号車。2位には61ポイントで、3回のP4フィニッシュと昨日の優勝を記録した666号車。そして3位には53ポイントで9号車がつけており、まだまだ先が読めない展開が待ち受けていることだろう。

次戦は8月29日から31日にかけて、岡山国際サーキットで開催されるSRO GT PowerTourとなる。再びGT World Challenge Asia powered by AWSとJapan Cupが併載され、富士大会と近しいエントリー台数が集まる予定だ。